フリーランスと厚生年金保険の関係

フリーランスとして働く場合、社会保険の中でも「厚生年金保険」に関しては会社員時代とは異なる状況になります。この記事では、フリーランスが厚生年金保険とどういった関係にあるのか、そして代わりに選べる選択肢や加入方法について解説します。

目次

フリーランスは厚生年金保険に加入できるのか?

厚生年金保険は、主に会社員や公務員が加入する年金制度です。厚生年金に加入することで、老後に受け取る年金額が大幅に増えるため、会社員にとって非常に重要な保障です。しかし、フリーランスは厚生年金保険に加入できないのが原則です。

対象者:厚生年金は、会社に雇用されている従業員やその事業所で働く人が対象です。フリーランスや自営業者は加入の対象外となります。

企業負担の仕組み:会社員時代には、厚生年金保険料は企業が半分負担してくれていましたが、フリーランスになるとそのサポートがなくなり、厚生年金に加入する選択肢も消えます。

ただし、法人化して自分を従業員として扱えば、厚生年金に加入できる可能性があります。法人化することで、厚生年金の恩恵を引き続き受けることも考えられます。

フリーランスは国民年金に切り替わる

フリーランスになった場合、厚生年金保険に加入できないため、代わりに国民年金に加入することが求められます。国民年金は全ての日本国民に加入義務があり、老後に「老齢基礎年金」を受給するためのベースとなる制度です。

国民年金の特徴:国民年金は、全ての20歳以上60歳未満の人が加入しなければならない制度です。2024年度の国民年金保険料は月額16,610円で、厚生年金よりも低額です。ただし、受給額も少なくなるため、将来的な年金額に差が出る点がデメリットです。

年金の受給額:国民年金だけでは、老後に受け取る年金は少額であり、満額で月約65,000円程度です。一方、厚生年金に加入していると、受給額が大幅に増加します。したがって、フリーランスとして年金を積み立てるには、他の方法を併用する必要があります。

フリーランスが年金を補完する方法

厚生年金に加入できないフリーランスでも、年金を補完する方法はいくつか存在します。老後の生活をより安定させるために、以下の選択肢を検討することが重要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金):フリーランスの方は、自分で老後の資金を積み立てる「iDeCo」に加入できます。iDeCoは毎月積み立てを行い、その資金を運用することで将来的な年金を増やす制度です。積立金は全額所得控除となるため、節税効果もあります。

小規模企業共済:フリーランス向けに、退職金のような形で受け取れる共済制度です。長期間にわたって積み立てを行い、引退時に一括で受け取ることができるため、老後資金の形成に役立ちます。

民間の保険や投資:年金や共済以外にも、民間の年金保険や投資を活用することで、将来的な収入源を確保することができます。特に、フリーランスは自分でリスク管理をしなければならないため、複数の方法で年金を補完することが重要です。

この記事のまとめ

フリーランスとして働く場合、厚生年金保険に加入できないため、国民年金に切り替わります。国民年金は老後の生活を支える最低限の保障であり、受給額が少ないため、iDeCoや小規模企業共済、民間の年金保険などを併用して将来の生活に備えることが重要です。フリーランスとしてのキャリアを積みながら、老後に向けた資金計画もしっかりと考えましょう。

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